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【株式会社はぴねす観光】
佐藤奈美恵社長インタビュー

【株式会社はぴねす観光】<br>佐藤奈美恵社長インタビュー

バスガイドを志したキッカケを教えてください。

特にバスガイドに憧れていたわけではありません。
勉強は好きでは無かったので大学へ進学する気もなく 就職組でした。
学校の廊下に企業の就職情報が貼り出された時 消去法で消していったら残ったのがバスガイドでした。

バスガイドのお仕事の素晴らしさについて教えてください。

高校を卒業と同時に富士急行株式会社に入社をし御殿場の研修寮で3ヶ月間みっちり厳しい教育を受けました。
3ヶ月経つとそれぞれの営業所に配属となり寮生活が始まります。
観光バスの仕事は朝が早く夜は遅いです。
行くところは毎日違いますから寝る間も惜しんで日々勉強です。
ダラダラと高校生活を送って 勉強が嫌で就職したにも関わらず 学生時代には考えられないような、多忙な日々が始まりました。
朝 目覚まし時計が鳴る度に『今日こそは辞めてやる!』と思う日々が続いていきました。
ところがいつしか この仕事に惹かれ始めていったんですね。
日々美しい景色を見てその土地の美味しいものをいただく。
一日として同じ景色はありません。
季節や時間によって風景は変わります。
現地でしか見ることが出来ない景色を見て感動することが出来る。
その感動をお客様に伝え お客様と感動を共有できる。
飽きっぽい私ですが この仕事は飽きることがありません。

バスガイドという職種は日本にしかありません。
日本には四季があります。
四季折々に変わっていく美しい風景とそこに伝わる悠久の歴史、現地でしか味わうことの出来ない美味しいもの。
五感で感じていただき その感動を伝えていきたいと思います。
バスガイドという職種は『感動の伝道師』だと思っています。

株式会社はぴねす観光 イメージ

創業された経緯を教えてください。

私たちがバスガイドになった当時は観光バスを頼むと『バス・ドライバー・バスガイド』が3点セットになっていました。
バスの数以上にガイドがいたんです。
道路が狭くバックすることが多い観光バスは誘導員がいないワンマン運行は認められていなかったんです。
ところが時代と共に道幅は広くなり性能の良いバックカメラが付けられるようになっていったんですね。
2000年に実施されたバス事業の規制緩和により観光バスのワンマン運行が認められ、バスガイドはオプションになってしまいました。

その後 2008年のリーマンショック以降はバスのツアー料金もどんどん下がっていき、経費削減のためオプションになったバスガイドは呼ばれなくなってしまったんです。
バスガイドはフリー化していき 日々の生活さえも危ぶまれるようになってしまいました。
それでも観光シーズンになると足りなくなるくらいお呼びが掛かる。
シーズンオフになると全く仕事が無くなる という季節労働者になってしまったんですね。
バスガイドだけで食べていくことが出来なくなり 多くのガイドが他でアルバイトをしています。

バス会社は新卒のガイドを取らなくなり バスガイドは高齢化してきています。
まさにバスガイドは絶滅危惧種です。
このままでは日本の文化であるバスガイドが消滅してしまう!
そうならないためにも フリーのガイドさん達が年間を通して安定した生活が送れるようにしなければならないと思い、それまでいたバス会社を退職して2019年8月に
『バスガイド請負業 株式会社はぴねす観光』を立ち上げました。

企業名「はぴねす観光」と企業ロゴに込めた想いを教えてください。

『ガイドさんたちが生活に困ることなく仕事が安定するように』
『バスの乗って来られたお客様に楽しんで欲しい』
『私自身大好きなバスガイドの仕事をこの先も続けることが出来ますように』
みんなが幸せになれるようにと『はぴねす観光』と名付けました。
ロゴは『幸せのハートが皆んなに届くように』と考えました。

株式会社はぴねす観光のサービスの独自性や差別化について教えてください。

2019年8月に会社を立ち上げて僅か半年後 新型コロナの影響で2020年の3月仕事が全てキャンセルになりました。
その後 GOTOトラベルが動き出した9月までの半年間 一本も仕事はありませんでした。
『私に何が出来るだろう』と思った時 同業のガイドさんやバス会社・旅行会社の方々に『頑張ろう!』のエールを贈り、コロナで旅行に行きたくても行けない方々のために観光案内の動画をYouTubeで配信する事を思いついたんです。
バスガイドの私に出来ることは観光案内です。
バスが無くても車で現地に行くことが出来ます。
仲間のガイドさんにカメラマンをお願いして 早朝の誰もいない時間に現地に車で行って撮影を始めました。

タイトルは『バスガイドぶらり旅』
あれから3年が経ち 『バスガイドぶらり旅』『バスガイドひとり言』と合わせて、150本の観光案内動画をYouTubeで配信しています。
YouTubeを見た方から講演のご依頼を頂いたり、町おこしの動画を作らせて頂いたり、テレビ局やラジオ番組から出演の依頼をいただいたりと思わぬところからご連絡をいただいています。

また観光案内の動画配信と共に 動画やホームページで全国のバスガイドさんにネットワークを広げていこうと呼び掛けています。
バスガイドが『絶滅危惧種』とならないようにと 同じ志を持つガイドさんからたくさんご連絡をいただいています。
私たちにとって観光バスに乗ることは日常でも お客様にとってバス旅行は非日常です。
何ヶ月も前から楽しみにしていた方もいるでしょう。
前の晩 ワクワクして眠れなかった方もいるかもしれません。
私たちバスガイドはお客様と一緒に笑って 驚いて 感動します。
お客様にとって最高の一日になるように寄り添い 感動を伝えていきます。

株式会社はぴねす観光の詳しい事業内容や強みを教えてください。

株式会社はぴねす観光は『バスガイド請負業』です。
バス会社・旅行会社・お客様からバスガイドの依頼をいただきます。
現在フリーランスもしくは個人事業主として活躍しているバスガイドに仕事を依頼します。
要するにお客様とバスガイドの間に入る仲介役のようなものです。
共にバスガイドとして一緒に仕事をしてきたフリーのガイドさんとは信頼関係で結ばれています。
同じ志を持つ経験豊かなプロのバスガイドです。
お客様は老人会から職場の旅行・自治会・婦人部・修学旅行・幼稚園の遠足・そして募集のツアーと、客層も年齢層も様々です。
常にお客様に合わせたご案内で笑顔あふれる楽しいバス旅行をお約束します。

また2023年10月から開始されるインボイス制度の導入に向けて事業内容を『バスガイド業』に変更します。
請負業の場合 フリーランス・個人事業主のバスガイドに仕事を依頼します。
今現在 年収1,000万円以下のフリーランス・個人事業主は消費税が免除されていますが、インボイス制度が導入されると年収1,000万円以下のフリーランス・個人事業主も消費税を納める義務が発生します。
ガイドさんたちに消費税の負担をかけたくないと思い 雇用する形に変えることとなりました。
創業月の8月より『バスガイド請負業』から『バスガイド業』に変わります。

バスガイドを行う上で大切にされているポイントを教えてください。

とにかく自分が楽しむことです。
お客様は勉強に来ているのではありません。
楽しみに来ています。
ご案内する私が楽しくなかったらお客様が楽しい訳がありません。
誰よりも笑い 誰よりも感動し その感動を伝えていきます。

今後のバスガイド業界の予測や展望、株式会社はぴねす観光の今後のビジョンを教えてください。

今のままではバスガイドは絶滅してしまいます。
はとバスなど大手数社はバスガイドを社員として雇用していますが その人数は僅かなものです。
朝が早く夜が遅く寝る暇も遊ぶ暇もなく日々勉強・・若いガイドさんは殆ど辞めてしまいます。
バスガイドという職業が無いのはご存じでしょうか。
バスガイドはバス会社の部署の一部であって職業としては存在していません。
総務省の事業内容の分類表にはバスガイドという言葉は出てきません。
『その他』です。
会社を辞めたフリーのバスガイドは根無し草です。
バスガイドを増やしていくにはバスガイドの職を安定させなければいけません。
価格低下によってバスガイド離れしてしまったツアーバスや修学旅行に、日本の文化であるバスガイドが以前のように必要なるように活動していきたいと思っています。

旅行は知れば知るほど楽しくなります。
バス旅行の大半を占めるバス車内を充実した時間にしてくれるのがバスガイドです。
YouTube『バスガイドぶらり旅』を見た方からよく頂くコメントが
『動画を見てから行けばよかった』です。
見るべきポイント・まつわる話・美味しいものなど知って行くのと知らないで行くのとでは、旅の楽しさは全然違います。
動画を見ていただくことで改めてバスガイドのいる旅行の楽しさを知って貰えるよう、これからも配信していきたいと思っています。

目標はバスガイドの社会的地位を確立し 補償制度をつくり バスガイドがバス会社の一部ではなく、バスガイドがバスガイドを育てていく制度を作っていけたらと思っています。
まだまだ遠い道のりですが全国の皆さんのご協力無しには出来ません。
日本の文化でもあるバスガイドが絶えることのないよう盛り立てていきたいと思います。

佐藤奈美恵社長

佐藤奈美恵社長の座右の銘・大切にしている言葉など教えてください。

『為せば成る 為さねば成らぬ何事も 成らぬは人の為さぬなりけり』
始めから諦めてしまっては何も成すことは出来ません。
出来ると信じること 自分を信じて頑張ること。
常に前向きにポジティブでいることが大事です。

『初心忘れるべからず』
人は慣れると驕りがでてきます。
会社を立ち上げた時の決心を忘れずみんなの幸せを目指します。

この記事を読んでいる方にメッセージをお願いします。

私はバスガイドが天職だと思っています。
天職だと思える仕事に出会えて幸せだと思います。

人は人生の多くの時間 仕事をしています。
楽しんでますか?
イキイキ仕事をしていますか?
仕事となれば楽しいことばかりではありませんよね。
辛いことも耐えなければいけないこともあると思います。
でも常にポジティブでいられるような、そんな仕事をして欲しいと思います。

講演の時にいつもお話していることがあります。
大事なのは『笑顔』です。
笑顔で話しかけられて嫌な人はいません。
あなたの笑顔が人を笑顔にします。
その人の笑顔を見て貴方も幸せになれます。
笑顔は人を幸せにします。
私たちも日々バスに乗ってくる方々を笑顔でお迎えしています。

株式会社はぴねす観光 ロゴ

企業概要

企業名 : 株式会社はぴねす観光

代表者 : 佐藤 奈美恵

所在地 : 神奈川県海老名市

設立  : 2019年8月8日

事業内容
バスガイド請負業(10月1日から開始のインボイス制度に向けて8月1日よりバスガイド業に事業内容変更)

URL  : http://www.happiness-tourism.jp/

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