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【株式会社ふらここ】
原英洋社長インタビュー

【株式会社ふらここ】<br>原英洋社長インタビュー

1963年東京生まれ。祖父:原米洲(人間国宝)、母:原孝洲(女流人形師)。慶応義塾大学経済学部卒業後、大手出版社・集英社に入社。1987年父親の急逝により、家業である人形専門店に入社。1988年専務取締役就任。2008年に独立して株式会社ふらここを創業。女性活躍推進活動に注力し、2015年に経済産業省『ダイバーシティ経営企業100選』の認定を受ける。

原英洋社長の雛人形・五月人形との関わりや想いを教えてください。

ふらここのアトリエでは、子供が生まれたばかりのお母様と同世代の若いスタッフたちが、創造力とセンスを活かしてお客様の気持ちに寄り添い、心から欲しいと思えるお人形を制作しています。
お人形を手にする全てのご家庭に、笑顔と幸せに包まれる温かいひとときを届けたい。そんな想いをこめて、企画から最後の仕上げまで約1年の歳月をかけ、ふらここだけの可愛らしいお人形を完成させています。
雛人形も五月人形も、親と子の深い絆を育む商品です。親と子の深い絆を育む商品を開発し販売することで、常に時代のニーズに調和した日本の伝統文化を提供していきたいと考えています。

現在のお仕事を志したキッカケを教えてください。

私の経歴ですが、私の生家は代々の人形師の家系で、私の祖父は原米洲と称する人形師で、この道を究めて人間国宝になりました。そして、母は原孝洲という女流人形師でした。
そう聞くと、さも当たり前のようにこの仕事に就いたように思われるかもしれませんが、私は若い頃は、今の仕事をする気もなかったし、家業を継ぐ気もありませんでした。
若い頃、私は作家になりたくて、大学を卒業して最初に就職をした会社は大手出版社でした。そして、そこで作家になるための勉強をしようと思っていました。
しかし父が急に身体を壊して他界してしまったので、仕方なく家業に入りました。ですから、今のこの仕事の始まりは、夢を捨てて絶望からのスタートでした。
でもそれだけに、この道で何とか自分自身が生きる意義を見つけたいと思って、若い頃は、必死に経営の勉強に没頭しました。そして自分なりに一生懸命に仕事に取り組んで、今日まで歩んできました。

起業された経緯を教えてください。

私が、お母様に好まれる人形を作りたいと思うようになったのは、独立する以前のことですが、お客様から受け取った2件のキャンセル電話がきっかけでした。
2件とも母親と思しき若い女性の声でしたが、私が「おじいさま・おばあさまがお孫さんにプレゼントされた雛人形をキャンセルしてしまって宜しいのでしょうか?」と問いかけると、「だって要らないから」とあっさり言われてしまいました。
その電話を切った時、私は、“時代が変わった!”と感じ、“子供が生まれたばかりのお母様に好まれる人形を作らなければならない”と、強い思いが込み上げてきたのを今でもよく覚えています。
その後、職人たちに「子供が生まれたばかりのお母様に好まれる人形を作ろう」と提案しましたが、職人たちから「お客様に迎合するのか」と言われて愕然とした覚えがあります。
そして、「いやいや迎合ではない、お客様が望むものを作るのは当たり前ではないか」と言い返しましたが、「それを迎合と言うのだ」と一蹴されてしまいました。
当時、私は、父亡きあと、後継者として、母と二人で家業の経営に携わっていたので、何度も職人を説得しようと働きかけたのですが、どうすることもできず、一緒に仕事をしていた妹夫妻に後を託して独立することを決意しました。

原英洋社長がモチベーションを高める為に行われている事があれば教えてください。

ジャンルを問わず成功者や経営者の本を読みます。功成り名を遂げた人の本を読むことで、たくさんの勇気を戴きます。
また、最近はYouTubeにアップされている成功者や経営者の講演を聞いて、元気をもらうことも多いです。

原英洋社長が人生を歩む上で特に大切にしていることを教えてください。

天の導きを信じ、ご縁を大切にして、毎日を全力で生きることです。

企業名「ふらここ」と企業ロゴに込めた想いを教えてください。

私は、創業するときに、今まで見たこともないほど可愛いお人形をつくりたいと思っていました。そして、新しいお人形というイメージを伝えるために、人形業界の慣習に捕らわれない柔らかい響きがある言葉を探していた時に、『ふらここ』という言葉に出会いました。
『ふらここ』とは、「ぶらんこ」を意味する古語で、和歌にも詠まれる日本の美しい言葉です。やわらかな陽気に草花が芽吹く春の季語でもあり、わが子を包むあたたかい親心にもつながっています。

ふらここの理念を教えてください。

◆経営理念
ふらここは、常に時代のニーズに調和した日本の伝統文化を提供することをもっとも大切な使命とこころえています。

私たちは、お客様に心からお喜びいただくために、常により高品質で温もりを感じる商品とサービスを提供し続けることを約束します。

ふらここがお客様にお届けするもの、それは、真心をこめた最高の商品とサービスを通して、お客様が実感する幸福感です。

理念やビジョンに込めた想いと具体的に取り組まれている事を教えてください。

「世界で最も、親と子の深い絆づくりに貢献する会社」を目指す。これが、私たちふらここのビジョンです。
私たちが会社のミッションとして経営理念に謳い、お客様に提供している「時代のニーズに調和した日本の伝統文化」は、節句人形もブライダル人形も、親と子の深い絆を育む商品です。私たちはこれからも、人形をはじめとする、親と子の深い絆を育むこのような商品を開発し販売することで、親子の絆づくりに貢献し、世界から評価される会社を目指します。
雛人形:https://www.furacoco.co.jp/hina/
五月人形:https://www.furacoco.co.jp/gogatsu/
ブライダル人形:https://www.furacoco.co.jp/bridal/

ふらここの詳しい事業内容や強みを教えてください。

事業内容:オリジナルブランドによる雛人形・五月人形・ブライダル人形の企画・制作、および販売
子供が生まれたばかりのお母さんに喜んで戴ける雛人形や五月人形を制作するために、女性中心の採用を行なってきました。そして現在、社員37名中36名が女性社員という、女性主体の会社になっています。この社員構成は、子供が生まれたばかりのお母様のニーズを把握するためには、同じ性別・年齢・環境にいる女性の方が、その好みを身近な感覚として受け取ることができるだろう、という考えの下に採用を続けてきた結果です。
そして私たちは、子供が生まれたばかりのお母様と近い世代の女性社員たちを中心に、様々な方法で収集した顧客情報からお客様のニーズを分析し、その分析結果に基づいて、商品開発や販売に取り組んでいます。

ふらここの雛人形・五月人形はとても可愛く素敵ですが、こだわりのポイントを教えてください。

お母様に“子を想う親の愛”を提供する。これは、私たち・ふらここの節句事業のコンセプトです。
この事業コンセプトを実現するために、飾って楽しむだけの人形ではなく、親子の絆を深める媒体として、“さり気なく子どもの傍にいて、毎年、子供の成長を楽みながら、幸せな気持ちでお祝いができる人形”というイメージを、お客様に提供する必要がありました。
そして、そんなイメージを提供する人形として、お顔は子供が泣かないように、ほっこりと心が和む可愛い赤ちゃん顔にしました。
また、人形が存在感を主張するのではなく、飽く迄も子供が主役で、子どもの傍にさり気なくいる人形として、現代の若い世代の住空間に調和するように色は柔らかく温かみのあるナチュラルな色合いにしました。
そして、毎年、子供と一緒に楽しく雛人形や五月人形を飾れるように、大きさはコンパクトサイズに統一しました。

雛人形れいれい

雛人形・五月人形の選び方のポイントを教えてください。

飾って楽しむだけの人形ではなく、親子の絆を深める媒体として、“さり気なく子どもの傍にいて、毎年、子供の成長を楽みながら、幸せな気持ちでお祝いができる人形を選ぶことが大切です。

ふらここのサービスの独自性や差別化について教えてください。

子供が生まれたばかりのお母様と近い世代の女性社員たちを中心に、様々な方法で収集した顧客情報からお客様のニーズを分析し、その分析結果に基づいて、商品開発や販売に取り組んでいます。
女性が作る、女性のためのお人形づくりは、人形業界で私たちだけが手掛ける唯一無二の取り組みです。

ふらここを運営される上で大切にされていることを教えてください。

社員一人ひとりの可能性を最大限引き出すために、個々人の得意分野で得手に帆を揚げられるように仕事を進めてもらうことです。

ふらここで働く仕事のやりがいについて教えてください。

社員一人ひとりが自分の個性を活かして働くことができ、自分自身の可能性に挑戦できることです。

今まで苦労された経験、そこから学ばれたことを教えてください。

創業5年目くらいのとき、そのとき社員から上がってきていた様々な不満を解消するために、社員の声を私なりに解釈してルールブックを作ったところ、不満が続出しました。善意のつもりが、社員を拘束する制度を一方的に押しつけたと受け止められて、当時9人の社員のうち4人が退職しました。
当時はまだ社員数も少なく、それでも業績は急激に伸びていたので毎日が多忙を極めていて、もうこれで万事休すかとまで考えさせられた出来事でした。
当時の私は、毎日が時間との闘いのような日々を送っていましたから、社員とコミュニケーションをとるなんて、時間がもったいないと思っていました。
しかしこの出来事で、社員としっかりコミュニケーションを取って納得して働いてもらうことの大切さ、社員自らが主体的に当事者意識をもって仕事を進めてくれる環境を作ることの大切さを痛感しました。
そして、このことがきっかけで、全社員を巻き込んで人事制度の構築に取り組んだという経緯があります。

どのような方にふらここのサービスを届けたいですか?

親と子の絆を深めたいと思っている方々に、ふらここのサービスを届けたいです。

今後の目標やビジョンを教えてください。

お客様が喜ぶモノを提供し、自分自身も含め、関係する全ての人たちの人生を豊かにしたいと考えています。それゆえ、手練手管を弄してモノを売り込むのではなく、また一過性の需要を追うこともしない。地に足が付いた持続可能なビジネスがしたいと考えています。
そしてお客様に喜んで戴いて、職人と一緒に喜び合い、そのことに社員を含めた関係者全員で喜び合えるような会社を創りたいと考えています。
そして、家族のような心が通った温かい会社にしたいと考えています。

この記事を読んでいる方にメッセージをお願いします。

お子さまの幸せと健やかな成長を願い、お人形を飾ってお祝いする文化は、世界中で日本だけと言われています。平安時代から受け継がれてきた「お子さまへの愛を形にする文化」を大切に、ふらここは現代の生活に合わせてお届けしています。そして、これからも、もっと眺めていたい、ずっと一緒に過ごしていたい、見る人みんなを笑顔にするような、愛されるお人形を作っていきます。

まいまい装飾刺繍・花日和

企業概要

企業名 : 株式会社ふらここ

代表者 : 原 英洋

所在地 : 〒103-0004東京都中央区東日本橋3-9-8 furacoco house

設立  : 2008年

従業員数: 37名

事業内容: オリジナルブランドによる雛人形・五月人形・ブライダル人形の企画・制作、および販売

URL  : https://www.furacoco.co.jp/

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